2歳11ヵ月の女の子です。下の子が生まれてからしばらくは子育て中心の生活でしたが、育児休業が明けて、下の子は祖父母宅、上の子は保育所に預けることになりました。その頃から上の子の赤ちゃん返りが始まり、哺乳瓶で牛乳を飲みたがったり、寝る時も泣いて、抱っこやおんぶで寝かしつけたりしています。時には「赤ちゃん、嫌い」と言って、やきもちをやきます。どうしたら良いでしょうか。
仕事復帰と二人育児が同時に始まった中で、娘さんの変化にちゃんと気づいて向き合おうとしている。それだけで十分、素敵な親御さんです。結論から言うと、赤ちゃん返りは「直すべき問題行動」ではなく、順調に育っているからこそ出るサインです。まずその理由から説明しますね。
なぜ赤ちゃん返りをするの?
娘さんの世界は、いま激変のまっただ中
娘さんの立場で今の状況を想像してみてください。ついこの間までお母さんを独り占めできていたのに、赤ちゃんがやってきて、お母さんはお仕事に復帰。自分は保育所という新しい場所に預けられ、生活が一気に変わりました。大人でも、転職と引っ越しと家族の変化が同時に来たら心が揺れますよね。2歳の子にとっては、それ以上の激変です。
そんな中で娘さんが出した答えが「赤ちゃんになること」。娘さんの目には、「赤ちゃんでいる子が、いちばん抱っこされて、いちばん大事にされている」ように見えるからです。哺乳瓶を欲しがるのも、泣いて抱っこを求めるのも、「私のこと、まだ大好き?」という確認作業なんです。
Q. 甘えを受け入れたら、癖になって余計に赤ちゃんぽくなりませんか?
A. 逆です。赤ちゃん返りは「愛情の確認作業」なので、確認が済めば子どもは自分から次の段階へ進みます。心のコップが満たされれば、注ぎ続ける必要はなくなるのと同じです。逆に甘えを拒否されると、確認が終わらないのでいつまでも続きます。「満たされた子から卒業していく」——これは現場でも家庭でも共通です。
「赤ちゃん、嫌い」の本当の意味
「赤ちゃん、嫌い」という言葉も同じです。本当に嫌いなのではなく、「赤ちゃんばかりずるい。私も見て」の翻訳だと思ってください。自分の気持ちを言葉にできているのは、むしろ言葉の育ちが順調な証拠でもあります。
赤ちゃん返りは、親子の信頼関係ができているからこそ起こります。「この人に甘えれば受け止めてもらえる」と信じているから、甘えを出せるのです。安心して甘えられる相手を、娘さんはちゃんと選んでいます。
具体的にどうすればいい?
① 哺乳瓶も抱っこも、受け止めてOK
哺乳瓶で牛乳を飲みたがったら、飲ませてあげて大丈夫です。抱っこ・おんぶの寝かしつけも同じ。今やっている対応は、間違っていません。心が満たされれば、期限は娘さんが自分で決めて卒業していきます。
② 1日5〜10分の「娘さんだけの時間」を作る
下の子が祖父母宅にいる時間や寝た後に、娘さんと2人きりで遊ぶ時間を意識的に作ってください。長さより「独り占めできた」という実感が大切です。「〇〇ちゃんとお母さんだけの時間だね」と言葉にすると効果が高まります。
③ 「赤ちゃん、嫌い」には、気持ちを言葉にして返す
「そんなこと言わないの」ではなく、「そっかあ、お母さんを取られた気がして嫌だったんだね」と気持ちを代弁してあげてください。気持ちをわかってもらえた経験が積み重なると、やきもちの表現は少しずつ穏やかになります。
④ 名前で呼んで、その子自身を認める
お手伝いをしてくれた時などに「〇〇ちゃんがいてくれて助かったよ」と、お姉ちゃんとしてではなく、その子自身を認める言葉をかけてあげてください。
⑤ 保育所の先生と情報共有する
家庭での様子を伝えておくと、園でも気持ちを受け止めてもらいやすくなります。環境の変化が重なった時期なので、園と家庭で同じ方向を向くことが娘さんの安心につながります。連絡帳の一言で十分ですよ。
「もうお姉ちゃんでしょ」「お姉ちゃんなんだから」はNG。今の娘さんには「赤ちゃんじゃないあなたは後回し」と聞こえてしまい、赤ちゃん返りを長引かせます。また、「赤ちゃん、嫌い」を叱って言わせなくすることもおすすめしません。言葉を封じても気持ちは消えず、行動(叩く・押すなど)で出るようになるだけだからです。
- 赤ちゃん返りは問題行動ではなく、「私のこと、まだ大好き?」の確認作業。信頼関係がある証拠
- 哺乳瓶も抱っこも受け止めてOK。満たされた子から自分で卒業していく
- 1日5〜10分の「その子だけの時間」と、気持ちの代弁が効く
- 「お姉ちゃんでしょ」は封印。園とも情報共有を
※本記事は一般的な子育て情報であり、専門的な相談に代わるものではありません。ご心配が続く場合は、自治体の子育て相談窓口にご相談ください。

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