小2の子が仮病を使う。休ませていいのか、癖にならないか【保育士が答えます】

Q お子さんの年齢:7歳(小学2年生)

小学2年生の母親です。子どもが仮病を使うとき、どう向き合うのがよいのか悩んでいます。うちでは「仮病には必ず何か理由があるはずだ」と考えていて(学校で嫌なことがあったなど)、無理に登校させないというのが基本の方針です。子どもの世界にも大変なことは山ほどあるだろうし、たまには休みたくもなるよな、とある程度は理解を示しているつもりです。ただ一方で、それが癖になってしまうのもよくないのではないか、多少のことなら我慢して学校へ行く経験も必要なのではないか、という気持ちもあり、いつも葛藤しています。実際、最近は仮病の回数が増えてきていて困っています。子どもが仮病を使っていると分かったとき、どう向き合い、どう対応するのがよいのでしょうか。

A 保育士で三児の母がお答えします

まず整理します。「仮病には理由があるはずだ」という前提に立って、無理に登校させない。この方針は、出発点として正しいと考えます。そのうえで、葛藤されている「癖になるのでは」という部分と、回数が増えているという事実を、どう扱うか。ここを具体的に考えていきます。

そもそも、それは本当に「仮病」なのか

いちばん先にお伝えしたいのは、7歳の子の「お腹が痛い」「頭が痛い」は、多くの場合、嘘ではないということです。この年齢の子は、心のストレスがそのまま体の症状として出やすい時期にあります。学校に行きたくない、あの時間が嫌だ、という気持ちが強くなると、本当に胃が痛くなり、本当に気持ちが悪くなります。仮病というと「痛くないのに痛いと言っている」ように聞こえますが、実際には「痛い理由が体ではなく心にある」だけで、痛みそのものは本物であることが少なくありません。

そしてもうひとつ。7歳の子には、自分の困りごとを言葉で説明する力が、まだ十分に育っていません。「クラスで発表するのが怖い」「あの子と隣の席なのがつらい」——大人ならそう言えることを、子どもは言語化できないまま、体調不良という形でしか表に出せないことがあります。園でも、朝になるとお腹が痛いと訴える子がいますが、話を聞いていくと、その日の予定に苦手な活動があった、というのがよくある背景でした。子どもは嘘をついているのではなく、それしか手段を持っていないのです。だから「本当は痛くないんでしょう」と真偽を追及する方向に進むと、子どもは口を閉ざし、いちばん知りたい理由が遠のいてしまいます。

考えるべき問いは「これは仮病か、本物か」ではなく、「この子は何から逃れたくて、それを言葉にできずにいるのか」です。真偽の判定は、対応の役に立ちません。そして回数が増えているというのは、その理由がまだ解消されていない、あるいは強まっているというサインだと受け取ってください。

どう向き合えばいい?

① 真偽を問い詰めず、「困りごと」を一緒に探す

「本当に痛いの?」「仮病でしょう」という問いかけは、たとえ正しくても、子どもを守りの姿勢に追い込むだけです。追及された子は「本当に痛い」と主張を強めるしかなくなり、話はそこで止まります。そうではなく、痛みの真偽はいったん受け入れたうえで、「今日、学校で何かある日?」「行きたくない気持ち、ちょっとある?」と、体ではなく気持ちのほうを聞いてみてください。ここで大切なのは、責める調子を一切混ぜないことです。子どもが「行きたくない」と正直に言えたなら、それは大きな前進で、叱ってはいけない瞬間です。園でも、体調を訴える子に「どうしたの、痛いの」と体を追及するより、「今日はどんな一日になりそう?」と予定のほうを話題にしたときに、ぽろっと本音がこぼれることが何度もありました。理由さえ分かれば、多くの場合、対処できます。

② 曜日・時間割・出来事のパターンを記録する

回数が増えているとのことなので、これはぜひ試してほしい方法です。カレンダーに、休んだ日・訴えた日をメモしていってください。特定の曜日に偏っていないか、体育や音楽など特定の教科がある日ではないか、席替えや行事の前後ではないか。子ども自身が言葉にできない理由も、記録には表れます。実際、月曜に集中していれば週明けの不安、水曜に多ければその日の時間割、というように、パターンが浮かび上がることがよくあります。親の記憶だけだと「なんとなく最近多い」で終わってしまいますが、書き出すと驚くほどはっきり見えてきます。これは担任の先生に相談する際にも、とても役に立つ材料になります。

③ 休ませる日は、休養に徹する

葛藤されている「癖になるのでは」という心配。ここへの答えが、この部分です。休ませること自体は問題ありません。問題になるのは、休んだ日が学校より楽しい日になってしまうときです。体調が悪くて休むのなら、ゲームも動画も外出もなし、静かに家で過ごす。これを淡々と実行するだけで、休むことが得な選択肢ではなくなります。冷たく扱うという意味ではありません。むしろ心の休養が必要な子なら、ゆっくり眠って、そばにいてあげてください。ただ、休み=ご褒美という図式だけは作らない。これが「休ませる」と「癖にしない」を両立させる、いちばん現実的な線引きです。園でも、園を休みがちな子の家庭には、休みの日の過ごし方をそっとお聞きします。そこが整うだけで、行きしぶりが落ち着くことは実際にあります。

④ 担任の先生に、早めに共有する

回数が増えているなら、ここは遠慮しないでほしいところです。「最近、朝に体調不良を訴えることが増えていて、学校で何か気になる様子はありませんか」と、連絡帳か電話で一言。子どもが家で言えない理由も、先生から見れば一目瞭然、ということはよくあります。友達関係のちょっとした変化、授業でつまずいている単元、係活動の負担。家庭からは絶対に見えない情報が、学校側にはあります。そして先生にとっても、家庭の様子を伝えてもらえるのはありがたいことで、迷惑になることはまずありません。むしろ、家庭と学校で同じ方向を向けることが、この時期の子にとって何よりの安心材料になります。

⑤ 「我慢して行く経験」は、理由が分かってから

多少のことなら我慢して行く経験も必要ではないか、という葛藤。これはとても大事な視点で、その通りだと思います。ただ、順番があります。理由が分からないまま「今日は我慢して行きなさい」と背中を押すのは、子どもにとっては「話しても無駄だった」という経験になり、次からは何も言わなくなります。まず理由を掴む。そのうえで、「発表が怖いだけなら、先生に相談して席を変えてもらおうか」「今日は行って、放課後に好きなことをしよう」と、乗り越えられる形に整えてから押す。理由が分かっていれば、背中を押すことは支援になります。分からないまま押すと、それはただの命令になってしまいます。

「嘘をつくな」と叱ったり、真偽を問い詰めたりするのは避けたいところです。子どもが黙るだけで、理由は永遠に見えなくなります。また、体の症状を訴えている以上、心の問題だと決めつけてしまうのも危険です。腹痛や頭痛が続く場合は、一度小児科で診てもらってください。実際の病気が隠れていることもありますし、体に問題がないと確認できれば、心の面に集中して向き合えます。そして、休みが続いたり、朝の訴えが毎日になったりするようであれば、それは行きしぶりの始まりかもしれません。スクールカウンセラーや自治体の教育相談は、不登校になってから使うものではなく、こういう段階でこそ使える場所です。早い段階で相談したほうが、ずっと軽く済みます。

  • 7歳の「お腹が痛い」は嘘ではないことが多い。痛みの理由が体ではなく心にあるだけ
  • 問うべきは真偽ではなく「何から逃れたくて、それを言葉にできずにいるのか」
  • 回数が増えているのは、理由が解消されていないサイン。曜日や時間割を記録すると見えてくる
  • 休ませてよい。ただし休んだ日を学校より楽しい日にしないことが、癖にしない線引き
  • 担任に早めに共有を。「我慢して行く経験」は、理由が分かってから背中を押す
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このブログを書いている人
保育士資格保有|保育士歴10年以上|3児の母

大学で心理学を履修後、教育学部を経て保育士として働いています。心理学×教育の考えを元に育児の悩みに向き合っています。園で出会ったたくさんの親子と、我が家の毎日から学んだ「今日から試せること」をお届けします。

※本記事は一般的な子育て情報であり、専門的な相談に代わるものではありません。体調不良や登校しぶりが続く場合は、かかりつけの小児科や、学校のスクールカウンセラー・自治体の教育相談窓口にご相談ください。

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