小学校低学年は、園のころに比べて、親と過ごす時間が急に減る時期です。学校に行き、宿題をして、習いごとに行く。気づけば一日が終わっている、という日も多いのではないでしょうか。それでも、この年代の子どもは、まだ「一緒にやりたい」「見ていてほしい」という気持ちをたくさん持っています。このページでは、1・2年生の子どもとどう関わり、どんな時間を持つといいのかを、遊びの具体例も交えてまとめました。保育士・幼稚園教諭で三児の母の視点から、我が家の体験も交えてお届けします。
低学年の親子の時間で、大切にしたいこと
- ⏰ 長さより、短くても向き合える時間があること
- 🗣️ 学校のできごとを、否定せず最後まで聞くこと
- 🎲 まだ「一緒にやりたい」気持ちがたくさんあること
- 🙌 できたことを、その子自身の成長として伝えること
- ❤️ 関わり方のペースには、大きな個人差があること
低学年は、学校でたくさんの刺激を受けて帰ってくる時期です。まだ自分の気持ちをうまく言葉にできないぶん、家での様子や、遊びの中に、その日の気持ちが出てくることがあります。
親子の時間というと、特別なことをしなければと思いがちですが、そんなことはありません。一緒にごはんを作る、帰り道を歩く、寝る前に少し話す。そうした短い時間の積み重ねのほうが、この年代には合っていることも多いものです。ここに書くことは、あくまで「だいたいの見方」です。育ちには大きな個人差がありますので、そのとおりでなくても、心配しすぎなくて大丈夫です。
低学年の子どもと過ごす時間は、どう変わる?
園のころは、送り迎えの時間や、帰ってからの長い時間がありました。小学校に入ると、それが大きく変わります。学校にいる時間が長くなり、放課後は宿題や習いごとで埋まっていきます。
そのぶん、親子で過ごす時間は短くなります。でも、この年代の子どもは、まだ親と一緒に何かをしたい気持ちを強く持っています。「一緒にやろう」と言われるうちが、実はとても貴重な時期です。
大切なのは、長さではありません。5分でも10分でも、その子だけに向き合える時間があること。テレビを消して、スマホを置いて、目を見て話を聞く。それだけでも、子どもには伝わります。
👩🏫 保育士メモ
入学したばかりのころ、家で荒れる子は珍しくありません。学校で緊張してがんばっている分、安心できる家に帰ってから、疲れや感情が表に出ることもあります。私が保育の現場で感じた範囲でも、園ではしっかりしているのに、家庭では甘えているという子はたくさんいました。家庭では、素の自分を出せているのだと思います。甘えてきたときは、まず受けとめてあげてください。それが、次の日の力になります。
まず、話を聞くことから
低学年の親子の関わりで、いちばん大切にしたいのが「話を聞くこと」です。
ただ、「今日どうだった?」と聞いても、「忘れた」「別に」で終わることがあります。子どもは、一日を振り返って要約するのが、まだ苦手なことも多いものです。「何がいちばん楽しかった?」「給食は何が出た?」など、具体的に聞くほうが答えやすくなります。
そして、話してくれたときは、最後まで聞くこと。つい「それはあなたが悪い」「こう言い返しなさい」と言いたくなりますが、まずは聞く。それだけで、次も話してくれるようになります。
話を聞くときに、気をつけたいこと
途中でさえぎらない…話が長くても、まずは最後まで。
否定から入らない…「そんなことで」と言わず、「そうだったんだね」と受けとめる。
すぐに解決しようとしない…アドバイスより、聞いてもらえるだけで落ち着くことがあります。
意見を言いすぎない…大人が先に結論を言うと、話しにくくなることがあります。
話したくない日もある…無理に聞き出さなくて大丈夫です。
低学年の子と、一緒に楽しめること
この年代は、まだ親と一緒に遊ぶことを喜びます。特別な道具や場所がなくても、日常の中で楽しめることはたくさんあります。ここでは、我が家でも取り入れてきたものを中心に紹介します。数分でも十分です。
体を使って遊ぶ
外遊びは、この年代にとって大切な時間です。公園でボールを使う、なわとびを一緒に数える、自転車で少し遠くまで行ってみる。大人が本気で相手をすると、子どもはとても喜びます。
家の中でも、じゃんけんで階段を上る、風船を落とさないように続ける、といった遊びができます。雨の日や、外に出られない日にも向いています。
頭を使って遊ぶ
低学年になると、ルールのある遊びが楽しめるようになります。トランプ、すごろく、オセロ、しりとり、カードゲーム。順番を守る、負けを受け入れる、次を考える。遊びの中で育つ力がたくさんあります。
負けて悔しがったり、泣いたりすることもあります。それも大切な経験です。すぐに勝たせてあげるより、「悔しかったね」と気持ちを受けとめて、また次にやってみる。そのほうが、負ける経験に慣れていきます。
生活の中で一緒にやる
遊びの時間が取れなくても、生活の中に一緒にやれることはあります。料理の手伝い、洗濯物をたたむ、買い物で計算してみる、植物に水をやる。
この年代は、「手伝いたい」「自分でやりたい」という気持ちが強い時期です。時間はかかりますが、任せてみると、できることが増えていきます。うまくできなくても、まずはやろうとしたことを認めてあげてください。
本を読む・読んでもらう
自分で読めるようになっても、読んでもらうことを喜ぶ子は多いものです。音読の宿題を聞いてあげる、寝る前に少し読む。読み聞かせは、園のころで終わりではありません。
図書館へ一緒に行って、自分で選ばせるのもいいですね。親が選んだものより、自分で選んだ本のほうが、読みたくなることがあります。
👩🏫 保育士メモ
遊びの中で、大人がつい「そうじゃなくて」と口を出してしまうことがあります。でも、この年代は、自分なりのやり方を試している最中です。危なくないことなら、まずは見守ってみてください。失敗しても、やり直せばいい。そう思える経験が、次にやってみる力になります。手を出したくなったら、少しだけ待つ。私自身も、いつも心がけていることです。
やらないほうがいいこと
この時期、避けたい関わり方
ほかの子と比べる…「〇〇ちゃんはできるのに」は、自信をなくす言葉になります。比べるなら、少し前のその子と。
先回りしてすべて防ぐ…忘れ物も失敗も、この時期の学びです。全部防いでしまうと、自分で気づく機会がなくなります。
できない約束をする…「今度連れて行くね」が続くと、信頼が減っていきます。できない約束はしないほうが安心です。
人格を否定する叱り方…「だからあなたはダメなんだ」ではなく、その行動について伝えましょう。
遊びを勉強にすり替える…せっかくの時間が、テストのように感じられてしまうことがあります。
忙しい日は、どうする?
毎日しっかり関わろうとすると、大人が疲れてしまいます。仕事や家事、下の子のお世話があれば、なおさらです。
そんな日は、無理をしなくて大丈夫です。ごはんを食べながら少し話す、寝る前に「今日はどうだった?」と一言聞く。それだけでも、その子に向き合った時間になります。
完璧にやろうとするより、続けられる形を探すほうが、結果的に長く続きます。大人が機嫌よくいられることのほうが、子どもには安心なのだと思います。
先輩ママ(我が家)はどうだった?
参考までに、我が家の子どもたちの、低学年のころの話を。あくまで「我が家の場合」で、個人差が大きいことは、忘れないでくださいね。
低学年のころ、いちばん話してくれたのは、実は机に向かい合ったときではありませんでした。一緒に洗濯物をたたんでいるとき、車で移動しているとき。何かをしながらのほうが、ぽつぽつ話してくれました。
トランプやすごろくもよくやりました。負けると本気で泣いていた時期がありましたが、続けているうちに、だんだん受け入れられるようになりました。勝たせてあげるより、悔しい気持ちに付き合うほうが、その子には合っていたようです。
忙しい時期は、「今日は何もできなかった」と落ち込むこともありました。でも振り返ると、一緒にごはんを食べて、寝る前に少し話した。それだけでも十分だったのだと思います。
低学年の遊びで育つ力
この年代の遊びは、楽しむこと自体が目的です。ただ、その中で自然に育っていくものもあります。
- 順番を守る、ルールを守る力
- 負けを受け入れ、また挑戦する気持ち
- 自分の考えを言葉にして伝える力
- 体を動かす楽しさと、基本的な動きの経験
- 失敗しても、やり直せばいいと思える気持ち
ただ、「育てるため」に遊ぶ必要はありません。一緒に楽しんだ結果として、こうした力がついてくる。その順番のほうが、子どもにも大人にも無理がないと思います。
よくある質問
Q. 忙しくて、遊ぶ時間が取れません。
長さより、短くても向き合える時間があるかどうかです。ごはんを食べながら話す、寝る前に少し聞く。それも立派な親子の時間です。毎日きっちりやろうとするより、続けられる形を探すほうが、結果的に長く続きます。
Q. 学校のことを話してくれません。
「今日どうだった?」より、「何がいちばん楽しかった?」と具体的に聞くほうが答えやすいことがあります。一緒に何かをしながらのほうが、話しやすい子もいます。話したくない日もあるので、無理に聞き出さなくて大丈夫です。気になることが続く場合は、担任の先生に様子を聞いてみましょう。
Q. 負けるとすぐ泣いて、遊びが続きません。
この年代では、よくあることです。すぐに勝たせてあげるより、「悔しかったね」と気持ちを受けとめてから、また次にやってみましょう。負ける経験を重ねるうちに、少しずつ受け入れられるようになっていきます。
Q. 遊びより、ゲームや動画ばかりです。
時間だけを取り上げるより、家庭のルールを一緒に決めるほうが守られやすくなります。年齢が小さいうちほど、ある程度のルール決めは必要だと感じています。あわせて、外遊びや家族との時間も残せるよう、バランスを見ていけるといいですね。
Q. 下の子がいて、上の子と関われません。
短い時間でも、その子だけに向き合う場面を作れると違ってきます。下の子が寝たあと、買い物に一緒に行くときなど、少しの時間で十分です。「あなたのための時間」と伝わることが、この年代には大きいものです。
Q. 一緒に遊ぼうと言っても、嫌がられます。
友だちと遊ぶほうが楽しくなってくる時期でもあります。無理に誘わず、生活の中で一緒にやれること(料理、買い物、送り迎えの道すがら)に切り替えてみましょう。関わり方は、年齢とともに形を変えていきます。
今日できること
- 「何がいちばん楽しかった?」と、具体的に聞いてみる
- 話してくれたことを、否定せず最後まで聞く
- 5分だけ、その子だけに向き合う時間を作る
- トランプやすごろくを、1回だけ一緒にやってみる
- 家の手伝いを、一つ任せてみる
- できたことを、その子自身の成長として伝える
- 大人自身も、休む時間を確保する
今日のポイント
⏰ 長さより、短くても向き合える時間があること
👂 話は否定せず、最後まで聞くことから
🎲 まだ「一緒にやりたい」と言ってくれる貴重な時期
🙌 比べるなら、ほかの子ではなく少し前のその子と
🌱 完璧を求めず、続けられる形を探す
まとめ
- 低学年は、親と過ごす時間が減る一方、まだ一緒にやりたい時期
- 関わりの基本は、否定せずに話を聞くこと
- 遊びは特別なものでなくていい。生活の中にも一緒にやれることがある
- 負けて悔しがる経験も、この時期の大切な学び
- 先回りしてすべて防がず、失敗できる余地を残す
- 忙しい日は無理をしない。大人が機嫌よくいられることが優先
低学年の6年間のはじまりは、子どもがぐんと外の世界へ出ていく時期です。それでも、家に帰ってきたときに受けとめてくれる人がいることが、この年代の安心につながります。うまくいかない日があっても大丈夫。完璧を求めず、続けられる形を探していきましょう。
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参考・情報源
この記事は、以下の公的機関などの情報を参考に、保育士・幼稚園教諭で三児の母である運営者の経験を交えて作成しています。学校生活や健康に関する最新の情報は、各機関の公式サイトや、通学先の学校でご確認ください。
- 文部科学省(学習指導・学校保健に関する情報)
- こども家庭庁(子どもの安全・健康に関する情報)
- 厚生労働省(子どもの睡眠に関する情報)
- 内閣府・関係省庁(子どものインターネット利用環境に関する情報)
- 通学先の学校・お住まいの自治体からの案内 ほか
🌱 安心メッセージ
「一緒にやろう」と言ってくれるのは、
実は、そう長くは続かない時期のことです。
毎日でなくて大丈夫。5分でも十分です。
完璧な親よりも、機嫌よくいる親のほうが、子どもは安心できます。
ひとりで頑張りすぎず、大人も休めるときに休んでくださいね。
※本記事は一般的な子育て情報であり、専門的な相談に代わるものではありません。学習面や心身の状態でご心配があるときは、学校の担任・スクールカウンセラー・自治体の教育相談窓口・かかりつけの小児科にご相談ください。

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