「今日どうだった?」と聞いても、「別に」「忘れた」で終わる。低学年のころは、帰ってくるなり今日あったことを話していたのに、いつからか何も言わなくなった。何かあったのか、それとも普通なのか。判断がつかず、心配になりますよね。このページでは、子どもが学校のことを話さなくなる背景と、話しやすくなる関わり方、そして気をつけて見ておきたいサインについて、保育士・幼稚園教諭で三児の母の視点からまとめました。
このページで分かること
- 🤐 話さなくなるのは、どうしてなのか
- 🗣️ 話しやすくなる、聞き方の工夫
- 📚 低学年・中学年・高学年での見方の違い
- 🙅 やらないほうがいい関わり方
- 🌱 心配な変化と、相談の目安
「話してくれない」という悩みは、学年が上がるにつれて増えていきます。そして多くの場合、それは関係が悪くなったからではありません。自分の世界ができてきたということでもあります。
とはいえ、何も分からないままだと心配ですよね。大切なのは、全部話してもらうことより、話したくなったときに話せる関係でいることだと思います。ここに書くことは、あくまで「だいたいの見方」です。育ちには大きな個人差がありますので、そのとおりでなくても、心配しすぎなくて大丈夫です。
こんな悩み、よく聞きます
「『今日どうだった?』と聞いても、『別に』しか返ってきません」
「低学年のころは何でも話してくれたのに、急に話さなくなりました」
「何かあったのか、それとも普通のことなのか、判断がつきません」
「心配で聞きすぎてしまい、余計に話さなくなった気がします」
どれも、多くの家庭で聞かれる悩みです。とくに最後のものは、私自身も経験があります。
どうして、話さなくなるのか
自分の世界ができてきた
3年生ごろから、友だちとの世界が広がります。自分の中だけに置いておきたいことが、少しずつ増えていきます。すべてを親に話さなくなるのは、育ちの一部でもあります。
うまく言葉にできない
とくに低学年では、一日を振り返って要約するのが、まだ苦手なことがあります。「別に」は、話したくないのではなく、どう話せばいいか分からないだけのこともあります。
疲れている
帰ってきた直後は、学校でがんばってきた疲れが出ている時間です。まず休みたい、というのが本音かもしれません。落ち着いてから話し出すこともあります。
聞かれ方が負担になっている
心配で質問を重ねると、かえって話しにくくなることがあります。「また聞かれる」と思うと、先に「別に」で閉じてしまう子もいます。
話したら困ることがある
叱られると思っている、心配をかけたくない、自分でなんとかしようとしている。こうした理由で言わないこともあります。この場合は、話しやすい雰囲気づくりが助けになります。
👩🏫 保育士メモ
子どもが自分の気持ちを話しやすい家庭には、共通点があると感じています。親が子どもの話をよく聞いていること。そして、親が自分の意見を言いすぎないこと。学校のできごとを聞いたとき、つい「それはあなたが悪い」「こう言い返しなさい」と言いたくなりますが、まずは聞くこと。それだけで、次も話してくれるようになります。口出しや干渉が強い家庭では、子どもが話さなくなっていくように思います。
話しやすくなる、聞き方の工夫
聞き方を少し変えるだけで、返ってくる言葉が変わることがあります。
今日から試せる、聞き方の工夫
具体的に聞く…「今日どうだった?」より、「何がいちばん楽しかった?」「給食は何だった?」のほうが答えやすくなります。
質問を減らす…とくに中学年以降は、聞き出すより待つほうが話してくれることがあります。
ながら時間を使う…食事、移動、家事の最中など、向かい合わないほうが話しやすい子もいます。
こちらの話をする…大人の側の出来事や失敗を話すと、向こうからも出てくることがあります。
すぐに助言しない…解決策より、聞いてもらえるだけで落ち着くことがあります。
話さない日を認める…毎日聞き出さなくて大丈夫です。話したくない日もあります。
そして、話してくれたときは、最後まで聞くこと。否定から入らず、「そうだったんだね」と受けとめる。それだけで、次も話してくれるようになります。
学年別の見方
低学年(1・2年生)の場合
この年代は、話したくないというより、まとめて話すのが難しいことが多いものです。「今日何した?」に「わすれた」と返ってくるのは、よくあることです。
「何がいちばん楽しかった?」など、具体的に聞くほうが答えやすくなります。帰ってすぐは疲れているので、おやつのあとや寝る前など、落ち着いた時間のほうが話し出すこともあります。
詳しくは、【小学1年生】学校生活・宿題・友だち関係まとめ、【小学2年生】学校生活・友だち関係・学習習慣まとめをご覧ください。
中学年(3・4年生)の場合
3年生ごろから、友だちの世界ができてきて、話す量が減っていきます。4年生では、それに反発が加わることもあります。
この年代でいちばん多いのが、「心配で聞きすぎて、余計に話さなくなる」というパターンです。質問を減らして、一緒に何かをしながら過ごすほうが、自然に話が出てくることがあります。
詳しくは、【小学3年生】学校生活・学習・友だち関係まとめ、【小学4年生】小4の壁・心の変化・友だち関係まとめをご覧ください。
高学年(5・6年生)の場合
思春期に入る子が増え、会話がさらに減ります。「別に」「普通」で終わることが多くなります。
この年代は、向かい合って話すより、並んで過ごす時間のほうが話が出やすいことがあります。買い物や準備を一緒にする、車で移動する。質問ではなく、こちらの話から始めるのも一つです。
詳しくは、【小学5年生】思春期の入り口・心と体の変化まとめ、【小学6年生】思春期・中学準備・卒業までのまとめをご覧ください。
やらないほうがいいこと
話を聞くときに、避けたい関わり方
問い詰める…「誰と」「何をしたの」と重ねると、話さなくなっていきます。
友だちを悪く言う…友だちの話をしたときに否定されると、次から話してくれなくなります。
すぐに助言する…「こう言い返しなさい」より、まず聞くこと。
意見を言いすぎる…大人が先に結論を言うと、話す気持ちがしぼんでしまいます。
叱る材料にする…話した内容で叱られると、次から言わなくなります。
ほかの子と比べる…「〇〇ちゃんは何でも話すのに」は、追い詰める言葉になります。
ただし、こんな変化には気をつけて
話さないこと自体は、多くの場合、自然な育ちです。ただ、次のような変化があるときは、話さない理由が別にあるかもしれません。
- 学校に行きたがらなくなった
- 食欲や睡眠に、影響が出ている
- 表情が沈んだままの日が続いている
- 持ち物が壊れている、なくなっていることがある
- 体調不良を訴えることが、増えてきた
- 友だちの話題を、急に避けるようになった
こうした様子があるときは、担任の先生に学校での様子を聞いてみてください。家庭では見えない一面が分かることがあります。心の状態が気になるときは、スクールカウンセラーや自治体の教育相談窓口にも相談できます。早めに相談することは、心配しすぎではありません。
先輩ママ(我が家)はどうだった?
参考までに、我が家の話を。あくまで「我が家の場合」で、個人差が大きいことは、忘れないでくださいね。
3年生のころ、学校の話をしてくれなくなりました。低学年のころは帰ってくるなり話していたのに、「別に」「普通」で終わるようになりました。友だちの世界ができてきたのだと思います。
心配で、つい「今日は誰と遊んだの」「何かあったの」と聞きすぎてしまった時期がありました。でも、聞けば聞くほど話さなくなる。結局、こちらから質問を減らして、一緒にごはんを食べたり、車で移動したりしているときに、向こうから話しはじめるのを待つようにしました。そのほうが、よく話してくれました。
高学年になってからは、質問するのをやめて、こちらの話をしてみたことがありました。今日あった出来事や、失敗した話。すると、向こうからぽつぽつ話しはじめることがありました。聞き出そうとするより、同じ空間で過ごすほうが、その年齢には合っていたのだと思います。
よくある質問
Q. 「別に」しか返ってきません。
低学年なら「何がいちばん楽しかった?」など具体的に、中学年以降なら質問を減らして待つほうが合うことがあります。向かい合うより、食事や移動など何かをしながらのほうが話しやすい子もいます。話さない日があっても大丈夫です。
Q. 話さないのは、何かあったからでしょうか。
多くの場合、自然な育ちです。ただ、行き渋りがある、食欲や睡眠に影響が出ている、表情が沈んだままといった変化があるときは、別の理由があるかもしれません。担任の先生に学校での様子を聞いてみましょう。
Q. 聞きすぎて、余計に話さなくなった気がします。
よくあることです。私自身も経験がありました。いったん質問を減らして、話しはじめるのを待ってみてください。聞くのをやめると、かえって話し出すことがあります。
Q. 友だちの悪口を言ってきたとき、どう返せばいいですか。
まずは最後まで聞いて、「そうだったんだね」と受けとめましょう。相手の子を一緒に悪く言うのも、すぐに正論で返すのも、次から話しにくくさせることがあります。繰り返し嫌なことをされている様子があるときは、担任の先生に相談してください。
Q. 父親には話すのに、母親には話しません(逆も)。
この年代は、話す相手を選びます。母親には言わないけれど父親には話す、その逆もあります。どちらが悪いということではありません。話せる相手が家に複数いること自体が、子どもにとっての安心になります。
Q. 学校での様子を知りたいときは、どうすれば?
担任の先生に聞いてみるのが確実です。「家では話さないので、学校での様子を教えてください」と伝えるだけで大丈夫です。家庭では見えない一面が分かることがありますし、「元気に過ごしています」と聞けるだけで気持ちが軽くなることもあります。
今日できること
- 質問を一つ減らしてみる
- 「何がいちばん楽しかった?」と、具体的に聞いてみる
- 食事や移動のときなど、ながら時間を作る
- こちらの今日の出来事を、先に話してみる
- 話してくれたことを、否定せず最後まで聞く
- 担任の先生に、学校での様子を聞いてみる
- 大人自身も、休む時間を確保する
今日のポイント
🤐 話さなくなるのは、自分の世界ができてきた証でもある
🗣️ 低学年は具体的に、中学年以降は聞きすぎず待つ
🍽️ 向かい合うより、ながら時間のほうが話しやすい
🙅 助言より、まず最後まで聞くことから
🌱 行き渋りや表情の変化があるときは、担任の先生に相談を
まとめ
- 話さなくなるのは、多くの場合、自然な育ちの一部
- 低学年は「まとめて話すのが難しい」ことも多い
- 中学年以降は、聞き出すより待つほうが話してくれることがある
- ながら時間や、こちらから話す方法が助けになる
- 助言より、否定せず最後まで聞くことが次につながる
- 行き渋りや表情の変化があるときは、早めに学校へ相談を
全部を話してもらうことが目的ではありません。話したくなったときに話せる。困ったときに相談できる。その関係が残っていれば十分だと思います。うまくいかない日があっても大丈夫。完璧を求めず、続けられる形を探していきましょう。
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・小学生の子育ての悩み一覧(ほかの悩みもまとめています)
・【小学校中学年】親子の関わり方(3・4年生との過ごし方)
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・【小学3年生】学校生活・学習・友だち関係まとめ(話さなくなる時期)
参考・情報源
この記事は、以下の公的機関などの情報を参考に、保育士・幼稚園教諭で三児の母である運営者の経験を交えて作成しています。教育相談や支援に関する最新の情報は、各機関の公式サイトや、通学先の学校・お住まいの自治体でご確認ください。
- 文部科学省(教育相談・いじめ対応に関する情報)
- こども家庭庁(子どもの健康・相談支援に関する情報)
- 厚生労働省(子どもの睡眠・健康に関する情報)
- 通学先の学校・お住まいの自治体の教育相談窓口 ほか
🌱 安心メッセージ
話してくれることが減っても、離れたわけではありません。
自分の世界ができるのは、育っている証です。
全部を話してもらわなくても、大丈夫。
完璧な親よりも、機嫌よくいる親のほうが、子どもは安心できます。
ひとりで頑張りすぎず、大人も休めるときに休んでくださいね。
※本記事は一般的な子育て情報であり、専門的な相談に代わるものではありません。心身の状態や学校生活でご心配があるときは、学校の担任・スクールカウンセラー・自治体の教育相談窓口・かかりつけの小児科にご相談ください。

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