子どもの発達について相談です。2歳6ヶ月のときに受けた新版K式発達検査で、言葉・社会性が64、知能が78という結果が出ました。現在は2歳10ヶ月の男の子です。ただ、最近になって毎日2つほど新しい言葉を話すようになり、「わんわん、ばいばい」といった二語文らしきものも出てきました。1歳後半から2歳前半にかけては言葉にほとんど変化がなかったのですが、今は日ごとに様子が変わっていきます。自閉傾向はあるようで、人よりも物に関心が向きやすいところがあります。幼稚園での集団生活はそれなりに過ごせているようですが、気持ちの切り替えが苦手だったり、新しい環境はあまり得意ではなさそうです。今後、どのように育てていけばよいでしょうか。
お子さんの様子を、検査の結果も含めてここまで丁寧に把握されていて、日々よく見ていらっしゃるのが伝わってきます。まず最初にお伝えしたいのは、今、言葉が毎日増えているというのは、とても大きな動きだということです。そのうえで、この時期の関わり方を、保育の現場から見てきたことも交えて考えていきます。なお、検査数値の詳しい解釈は専門機関の領域なので、ここでは日々の育て方を中心にお話しします。
「毎日言葉が増えている」ことの意味
1歳後半から2歳前半まで変化が少なかったのに、今は毎日2つずつ新しい言葉が出て、二語文も出はじめている。これは、お子さんの中で言葉の準備がずっと進んでいて、今ちょうどあふれ出しはじめたということだと思います。言葉は、ためている時期には外から見えにくく、あるとき一気に増えることがよくあります。園でも、長く様子見だった子が、あるタイミングからぐんと言葉を伸ばしていく姿を何度も見てきました。
検査は、あくまで受けたその時点の様子を切り取ったものです。2歳6ヶ月のときの結果と、言葉が動きはじめた今とでは、状況が変わってきている可能性があります。だからこそ、数字を固定した評価として重く受け止めすぎず、これからの伸びを見ていく視点が大切です。今まさに成長している最中なのだと思います。
発達検査の数値は、その子の将来を決めるものでも、順位をつけるものでもありません。今どこが得意で、どこに手助けがあるとよいかを知るための地図のようなものです。数字そのものに一喜一憂するより、「この子は今、言葉が伸びる時期に入った」という目の前の変化のほうを、大切にしてあげてください。
今後、どう育てていけばいい?
「言葉が出はじめた今」をたっぷり後押しする
せっかく言葉が動きはじめている時期なので、ここを大事にしたいところです。やり方はシンプルで、お子さんが指さしたり言葉を発したりしたときに、短く言葉を返してあげることです。「わんわん」と言ったら「わんわん、いたね」、物を指さしたら「くるまだね」。長い文で話しかけるより、単語や短い二語文で返すほうが、この時期の子には拾いやすいです。園でも、言葉が出はじめの子には、あえて短く区切って話しかけます。焦って言わせようとする必要はありません。楽しくやり取りを重ねることが、一番の後押しになります。
切り替えの苦手さは「予告」で助ける
気持ちの切り替えが苦手というのは、物に関心が向きやすいお子さんによく見られる特徴です。これは叱って直すものではなく、環境の工夫でぐっと楽になります。いちばん効くのが「予告」です。いきなり「おしまい」と言われると混乱するので、「あと1回やったら、ごはんね」「時計の針がここに来たら、お片付けしようね」と、先に見通しを伝えてあげてください。タイマーや砂時計など、目に見える形にするとさらに伝わります。園でも、切り替えが苦手な子には、次に何が起こるかを必ず事前に知らせるようにします。見通しがあるだけで、子どもは驚くほど落ち着いて動けます。
新しい環境は「小さく慣らす」
新しい環境が得意でないのも、無理に慣れさせるより、少しずつ経験を重ねるほうが向いています。初めての場所に行くときは、事前に写真を見せる、どんな場所か話しておく、短い時間から始める。こうした準備があると、不安がやわらぎます。幼稚園の集団生活をそれなりに過ごせているのは、大きな力です。焦って場数を増やすより、お子さんのペースで一つずつ、成功体験を積んでいくほうが、長い目で見て自信につながります。
専門家とのつながりを、これからの味方にする
すでに発達検査を受けているということは、専門機関とのつながりがあるのだと思います。これは、とても心強いことです。言葉が伸びている今の様子も、切り替えや新しい環境の苦手さも、そのつど相談できる場所があると、あなた一人で抱え込まずにすみます。もし療育をまだ利用していない場合は、自治体の発達相談の窓口で、今のお子さんに合った支援があるか聞いてみるのもおすすめです。療育は、苦手なことを、その子に合ったやり方で少しずつ伸ばしていく場所で、決して特別なことではありません。あなたの子育てを一緒に支えてくれる、心強い味方になります。
検査の数値だけを見て、「この子は遅れている」と決めつけて落ち込んでしまうのは避けたいところです。数字は今の一時点を切り取ったもので、特に言葉が動きはじめた今のお子さんは、変化の途中にいます。また、周りの子と比べて焦り、無理に言葉を練習させたり、苦手な環境に急いで慣れさせようとしたりするのも、逆効果になりがちです。お子さんのペースを尊重して、得意なところを伸ばし、苦手なところはそっと手助けする。この積み重ねが、いちばん確実です。心配なことがあれば、一人で抱えず、かかりつけ医や発達相談の専門家に、そのつど相談してくださいね。
- 毎日言葉が増えているのは、ためていた言葉があふれ出しはじめた大きな動き
- 発達検査の数値は将来を決めるものではなく、得意と手助けどころを知る地図
- 言葉が出はじめた今は、指さしや発語に短く言葉を返してたっぷり後押しを
- 切り替えの苦手さは「予告」で助ける。見通しがあると落ち着いて動ける
- 新しい環境は小さく慣らす。専門家とのつながりを、これからの味方にする
※本記事は一般的な子育て情報であり、医療的な診断や検査結果の判断に代わるものではありません。発達検査の結果やお子さんの発達に関するご相談は、検査を受けた機関や、かかりつけ医・自治体の発達相談窓口にご相談ください。

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