0歳の娘を抱えて、シングルマザーになりました。父親のいない家庭で、この子を幸せにしてあげられるのだろうかと不安でたまりません。毎晩、娘の寝顔を見ては、申し訳ない気持ちでいっぱいになってしまいます。どうすれば娘を幸せにしてあげられるでしょうか。
0歳の子を抱えて、これから一人で育てていく決断をされたんですね。その不安の大きさは、想像するに余りあります。ただ、毎晩寝顔を見ながら「この子を幸せにしたい」と考えている。その時点で、あなたは娘さんにとって十分すぎるほど大切な存在です。そのうえで、子どもの幸せが本当は何で決まるのかを、保育の現場から見てきたことも交えて整理していきます。
子どもの幸せは「家族の形」では決まりません
まず、いちばんお伝えしたいことがあります。園でたくさんの家庭と関わってきましたが、子どもが安定して育っているかどうかと、家族の形はほとんど関係がありません。両親がそろっていても、家の中がぴりぴりしていれば子どもは不安定になりますし、ひとり親でも、穏やかに関わってもらえている子は本当にのびのびしています。子どもが見ているのは、家族構成という形ではなく、自分がどう扱われているか、そして身近な大人が笑っているかどうかです。
子どもの心を支えるのは、自分を大切にしてくれる大人が、少なくとも一人いること。この一人がいれば、子どもは安心して育っていきます。その一人が、あなたです。人数の問題ではありません。
あなたが「申し訳ない」と感じるほど娘さんのことを想っている。その気持ちこそが、子どもの幸せに直結する一番の要素です。愛情を向けてくれる大人がいる、それが子どもにとっての土台になります。父親がいないことより、あなたが娘さんをどう見つめているかのほうが、はるかに大きな意味を持ちます。
これから大切にしてほしいこと
あなた自身が笑っていられる状態を守る
これが、実は一番の子育てです。子どもは、身近な大人の表情や声のトーンを驚くほど敏感に感じ取ります。園でも、送り迎えのときのお母さんの様子で、その日の子どもの落ち着き方が変わることがあります。だからこそ、娘さんのために何かを我慢して、あなたが疲れきってしまうより、あなたが少しでも余裕を持てる形を選ぶほうが、結果的に娘さんのためになります。一人で背負い込んで無理を重ねる必要はありません。あなたが休むことは、娘さんへのサボりではなく、投資です。
使える制度は、遠慮なく全部使う
ひとり親家庭が使える公的な支援は、思っている以上にあります。児童扶養手当、ひとり親家庭等医療費助成、保育料の減免、就労支援、住宅の支援など、自治体によって内容はさまざまです。市区町村の窓口で「ひとり親になったので、使える制度を教えてください」と伝えれば、まとめて案内してもらえます。申請しないともらえないものがほとんどなので、早めに確認しておくと安心です。これは施しではなく、社会が用意している当然の仕組みです。子どもを育てる人が受け取っていいものなので、遠慮しないでください。
「頼れる場所」を意識してつくる
一人で育てるということは、一人きりで育てることとは違います。保育園、子育て支援センター、ファミリーサポート、一時預かり。地域には、あなたと娘さんを支える場所があります。特に0歳のうちから支援センターなどに顔を出しておくと、保健師さんや保育士と顔見知りになれて、困ったときに相談しやすくなります。園でも、ひとり親のご家庭には、こちらから声をかけて連携するよう心がけています。抱え込まず、頼れる大人の数を増やしていくことが、あなたと娘さん両方を守ります。
父親がいないことを、負い目にしすぎない
いつか娘さんが「どうしてうちにはお父さんがいないの」と聞く日が来るかもしれません。そのとき大切なのは、完璧な説明をすることではなく、後ろめたそうにしないことです。親が引け目を感じていると、子どもは「これは触れてはいけないことなんだ」と学び、かえって傷になります。「うちはママと二人の家族だよ」と自然に伝えられれば、子どもはそれを当たり前として受け止めます。子どもは、親が普通のこととして扱うことを、普通のこととして受け取ります。
「片親だからこの子はかわいそう」と、自分を責め続けるのは避けてほしいところです。その罪悪感から、無理をして働きすぎたり、埋め合わせのように何でも与えたりすると、あなたが消耗するだけでなく、娘さんにも伝わってしまいます。娘さんは、かわいそうな子として生まれてきたわけではありません。また、周囲の心ない言葉に傷つくこともあるかもしれませんが、他人の価値観に、あなたの家族の幸せを決めさせる必要はありません。もし気持ちが沈む日が続いたり、一人で抱えきれないと感じたりしたときは、自治体のひとり親相談や子育て相談の窓口に、遠慮なく話してみてください。
- 子どもが安定して育つかどうかは、家族の形ではなくどう関わってもらえるかで決まる
- 自分を大切にしてくれる大人が一人いれば、子どもは安心して育つ。その一人があなた
- あなたが笑っていられる状態を守ることが、いちばんの子育てになる
- 児童扶養手当など、使える公的支援は遠慮なく全部使ってよい
- 父親がいないことを負い目にしない。親が普通に扱えば、子どもも普通のこととして受け取る
※本記事は一般的な子育て情報であり、専門的な相談に代わるものではありません。制度の内容は自治体によって異なります。詳しくはお住まいの市区町村の窓口にご確認ください。おつらい気持ちが続く場合は、お一人で抱えず、自治体のひとり親相談や子育て相談の窓口にご相談ください。

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