1歳7ヶ月の息子のことで相談です。発語はいつ頃から増えてくるものでしょうか。個人差があると頭では分かっているのですが、どうしても気になってしまいます。今、はっきり言葉として出ているのは「うま(美味しいという意味だと思います)」と「かーいー(可愛い)」の2つくらいです。喃語はよく出ていて、「だっだっだっ」といった声を一日中出しています。食べたいものがあると指さして「だっ」と言うので、私は「これはせんべいだね」と名前を伝えるようにしています。ただ、いわゆるクレーン現象と言われるものも、指さしと同じくらいの割合でします。目はよく合いますし、名前を呼べばこちらを向きます。「ピカチュウはどこ?」と聞くと、ぬいぐるみを持ってきてくれることもあります。私が机を拭いていると同じように拭く真似をしたり、私がとったポーズを真似したりもします。よく笑う子で、お店ですれ違う方にもニコニコしています。現在は自宅保育です。もう少ししたら言葉が出てくるでしょうか。それとも、今の2語でも出ていると考えていいのでしょうか。周りの同じ年の男の子が「ママ」「わんわん」とはっきり話しているのを見ると、どうしても不安になってしまいます。
ここまで細かくお子さんの様子を書けるということは、日々とても丁寧に見ていらっしゃるのだと思います。結論からお伝えすると、書かれている内容を読む限り、言葉が育つための土台はしっかりできていると感じました。今の様子を整理しながら、これからできる関わりを考えていきます。
言葉が出る前には「土台」が育っています
言葉というのは、ある日いきなり出てくるものではありません。その前に、いくつもの力が順番に育っていきます。人と目を合わせる、名前を呼ばれて振り向く、相手の言っていることを理解する、伝えたい気持ちを持つ、真似をする。この土台が積み上がった先に、ようやく言葉が出てきます。
その視点で息子さんを見ると、土台はかなり揃っています。目がよく合う。名前を呼べば振り向く。「ピカチュウはどこ?」と聞かれて持ってこられるのは、言葉の意味を理解できているということです。机を拭く真似やポーズの模倣ができるのは、人の動きを見て取り込む力が育っている証拠。そして指さしで「だっ」と伝えようとするのは、伝えたいという気持ちがしっかりあるということです。園でも、この土台が揃っている子は、あるとき急に言葉が増えることが本当によくあります。今はコップに水が溜まっている途中で、あふれる一歩手前、という状態だと思ってください。
「うま」「かーいー」も、りっぱな発語です。特に「うま」を食べているときに使えているなら、音の真似ではなく、意味と結びついた言葉として出ているということ。これは大きな一歩です。1歳半頃で意味のある言葉がいくつか出ていれば、十分に育っている範囲だと考えて大丈夫です。
気になっている点について
クレーン現象について
クレーン現象という言葉を知って、不安になる方はとても多いです。ただ、この行動そのものは、言葉をまだ持たない子が「自分では届かない、伝えられない」ときに使う、ごく自然な手段でもあります。大切なのは、クレーンをするかどうかより、それ以外の伝え方も持っているかどうかです。息子さんは指さしを同じくらいの割合でしていて、しかも指さしながら「だっ」と声も出している。伝える手段を複数持っているということなので、クレーンだけを取り上げて心配する必要はありません。言葉が増えるにつれて、自然と減っていくことがほとんどです。
周りの子と比べてしまうことについて
同じ月齢で「ママ」「わんわん」と話している子を見ると、不安になりますよね。ただ、1歳半前後は、子どもの発達の個人差が一年で最も大きく開く時期のひとつです。園でも、同じ1歳児クラスの中で、文章のように話す子と、まだ数語の子が並んでいるのは日常的な光景です。そして面白いのが、その差が2歳、3歳と進むうちに、ほとんど分からなくなっていくこと。今の時点の言葉数は、その子の力を表すものではありません。比べるのは、去年の息子さんとだけで十分です。
今日からできる関わり
短い言葉で、繰り返し伝える
今されている「これはせんべいだね」という声かけは、とても良い関わりです。指さした瞬間に名前を言ってもらえる経験が、言葉の貯金になります。さらに効果を高めるなら、少しだけ短くしてみてください。「せんべいが食べたいのね」より「せんべい。どうぞ」くらいのほうが、この時期の子には拾いやすいです。長い文の中に埋もれるより、単語がぽんと置かれるほうが、耳に残ります。園でも、言葉が出はじめの子には、あえて短く区切って話しかけます。
「だっ」に、必ず返事をする
指さして「だっ」と言ったとき、それは立派な会話のスタートです。そこで「ジュースだね、はいどうぞ」と応じてもらえる経験を重ねると、子どもは「伝えると通じる」と学び、もっと伝えたくなります。この積み重ねが、言葉を引き出す一番の力になります。逆に、先回りして何も言わないうちに出してしまうと、伝える必要がなくなってしまうので、ひと呼吸待ってから応じるくらいがちょうどいいです。
他の子と関わる機会を少しつくる
自宅保育とのことなので、支援センターや子育てひろばなど、他の子と過ごす場に時々出てみるのもおすすめです。大人からの言葉かけとは違う刺激があって、これをきっかけに言葉が動き出す子は本当に多いです。子どもは子どもから学ぶ力がとても強いので、遊ぶというより、同じ空間にいるだけでも十分な効果があります。
焦って言葉を言わせようとしたり、「言ってごらん」と何度も練習させたりするのは避けたいところです。伝えることが楽しくなくなってしまうと、かえって言葉が出にくくなります。今は、たくさん話しかけて、たくさん応じてあげる時期です。それでも心配が続くようであれば、1歳半健診の場で今の様子を伝えて、直接見てもらうと安心できます。健診が終わっている場合も、自治体には「ことばの相談」の窓口があり、気軽に相談できます。相談することは大げさなことではなく、「順調ですよ」と確認できるだけでも、気持ちがずいぶん軽くなります。
- 目が合う、呼ぶと振り向く、言葉を理解する、模倣する。言葉が出る土台は揃っている
- 「うま」は意味と結びついた発語。1歳半頃に数語出ていれば十分な範囲
- クレーン現象は、指さしなど他の伝え方も持っているなら心配しすぎなくていい
- 1歳半前後は個人差が最も大きい時期。比べるのは去年のわが子とだけで十分
- 声かけは短く、指さしには必ず応じる。心配が続くなら健診やことばの相談へ
※本記事は一般的な子育て情報であり、医療的な診断に代わるものではありません。発達に関するご心配は、乳幼児健診の機会や、かかりつけ医・自治体の子育て相談窓口にご相談ください。

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