これは虐待にあたるのでしょうか。先日、自宅で3歳半の息子と二人きりのとき、息子が激しく癇癪を起こして手がつけられなくなりました。私に噛みついたり叩いたりと、それはもうすごい状態で、私も動揺してしまい、思わず息子の手首を強くつかんで「そんなことしちゃだめでしょ」と大きな声を出したり、泣き叫ぶ息子の両肩をつかんで軽く押してしまったりしました。
あとから振り返って、自分のしたことは虐待だったのではないかと不安になっています。
こうして自分の対応を振り返って「これでよかったのかな」と心配できる時点であなたは虐待をするような親ではありません。そこは安心してください。そのうえで、癇癪への向き合い方と、あなた自身の心が楽になる考え方を整理していきます。
これは虐待ではなく「制止」です
噛みつき、叩き、収拾のつかない癇癪。それを自宅で一人で受け止めていて、手首をつかんで止めたり肩を押さえたりしたのは、あなたを守り、これ以上お互いが傷つかないようにするためのとっさの行動です。これは、怒りにまかせて子どもを痛めつける虐待とはまったく別のものです。
噛みついてくる子を止めるために手首をつかむのは、必要な制止の範囲だと考えていいと思います。
虐待とは、子どもを支配したり、恐怖で従わせたり、傷つけることです。あなたがしたのは、暴れる子と自分の安全を守るための行動で、目的も中身もまるで違います。
園でも、噛みつきや激しい癇癪が出る子には、まず本人と周りの安全を確保するために、体をそっと支えたり、手を止めたりします。これは日常的にある関わりで、必要な対応です。あなたが特別に乱暴なことをしたわけではありません。
「強くつかんでしまった」「押してしまった」と感じて不安になっている、その気持ちこそ大事にしてください。それは、あなたが力の加減に自分でブレーキをかけられている証拠です。本当に危ういのは、こういう不安すら感じなくなってしまうこと。あなたはちゃんと立ち止まれています。
激しい癇癪に、どう向き合えばいい?
パニックの最中は「言い聞かせない」
癇癪で頭がいっぱいになっているとき、子どもには言葉が届きません。感情が爆発している最中の脳は、考える働きが一時的に止まっているので「だめでしょ」と言っても入っていかないのです。
まずは危なくないように周りの物をどけて、安全を確保したうえで、嵐が過ぎるのをそっと待つのが基本になります。
園でも、癇癪を起こした子には、無理に泣きやませようとせず、落ち着くまで見守ります。むしろ、強く止めようとするほど激しくなることが多いので、待つことそのものが対応なんです。
落ち着いてきてから「びっくりしたね」「嫌だったね」と気持ちを言葉にして返してあげると、子どもは少しずつ収まっていきます。
噛みつきや叩きから、自分を守っていい
癇癪の相手をしていると、されるがままになってしまう方がいますが、その必要はありません。噛まれたり叩かれたりしたら、手首を持って「痛いよ」と低い声で短く伝えて離す、少し距離を取る。これは正当な防御です。
長く叱る必要はなく、「噛むのはなし」と一言だけで十分です。園でも、この年齢の噛みつきや手が出る行動には、短く淡々と伝えて距離を取るを繰り返します。
大きな反応をすると、それが刺激になって繰り返されることがあるので静かに対応するほうが結果的に減っていきます。3歳半の癇癪は、自分の気持ちを言葉でうまく出せないもどかしさから来ていることが多く、成長とともに必ず落ち着いていきます。
限界を感じたら、その場を離れる
二人きりで癇癪を至近距離で浴び続けると大人もだんだん冷静でいられなくなります。もう自分が危ないと感じたら子どもが安全な場所にいることを確認して、数十秒でも別の部屋に行って深呼吸してかまいません。泣かせたままで大丈夫です。少し離れることは放置ではなく、力が入りすぎてしまう前に自分を落ち着かせる正しい対処です。
園でも、どうにもならない場面では、安全を確保したうえで一度距離を置いて態勢を立て直します。これは保育士もやる方法なので罪悪感を持たなくて大丈夫です。
今回のことを「私は虐待をしてしまった」と決めつけて、自分を責め続けるのだけは避けてほしいところです。その自己批判はあなたを追い詰めるだけです。また、パニックの子を無理に力で押さえ込んで言うことを聞かせようとするのも、お互いにけがのリスクがあるので避けたいところです。
狙うのは「ねじ伏せる」ことではなく「安全を保って待つ」ことです。もし、感情的になって強く手が出てしまう場面が繰り返されるようであれば、それはあなたが限界に近いサインなので、一人で抱えず、自治体の子育て相談窓口に「癇癪への対応がつらい」と話してみてください。責められることはありません。
- 暴れる子を止めるために手首をつかむのは「制止」であり、虐待とは別のもの
- 「強くつかんでしまった」と不安になれるのは、自分でブレーキをかけられている証拠
- パニックの最中は言葉が届かない。安全を確保して、嵐が過ぎるのを待つ
- 噛みつきや叩きからは、短く「痛いよ」と伝えて離れて自分を守っていい
- 限界を感じたら、その場を離れて深呼吸を。3歳半の癇癪は成長とともに落ち着く
※本記事は一般的な子育て情報であり、専門的な相談に代わるものではありません。癇癪への対応がつらい状態が続く場合は、お一人で抱えず、自治体の子育て相談窓口にご相談ください。

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