お風呂も歯磨きも言っても動かない。口答えばかりでイライラします。【保育士が答えます】

Q お子さんの年齢:9歳(小学3年生)

小学3年生の男の子です。お風呂に入るよう言っても入らない、歯を磨くよう言っても磨かない、遊んでばかりです。知恵もついてきて、それっぽい口答えもするようになりました。正直、毎日イライラしてしまいます。どうすればいいのでしょうか。

A 保育士で三児の母がお答えします

毎日同じことを何度も言い続けるのは、本当に消耗します。しかも口答えまで返ってきたら、イライラして当然です。結論からお伝えすると、小学3年生が言われてすぐ動かないのは、しつけの失敗ではなく、この年齢としてごく普通の姿です。そのうえで、あなたが消耗せずに子どもが動く形を、一緒に整理していきます。

なぜ言っても動かないの?

「分かっている」と「切り替えられる」は別の力

小学3年生になると、お風呂に入るべきことも、歯を磨かないと虫歯になることも、頭ではちゃんと分かっています。それでも動かないのは、理解の問題ではなく、今している楽しいことから気持ちを切り替える力が、まだ育っている途中だからです。この切り替えを担う脳の働きは、思春期を過ぎるまでゆっくり育っていきます。大人でも、面白い動画を見ている最中に「今すぐ皿を洗って」と言われたら、あと少しだけ、と思いますよね。子どもの場合、その「あと少し」を止める力がまだ弱いだけなのです。だらしないわけでも、親を軽く見ているわけでもありません。園でも、片付けの時間だと分かっていても遊びをやめられない子はたくさんいますが、それは理解不足ではなく、切り替えの練習の途中だと考えて関わります。

口答えは、成長のサインでもあります

「それっぽい口答え」が出てきたとのこと。腹は立ちますが、これは実は順調に育っている証拠です。この年齢になると、自分の考えを言葉にする力と、相手の言い分に反論を組み立てる力が育ってきます。言い返せるということは、それだけ思考力と語彙が伸びたということ。反抗というより、自分の意見を持ちはじめた表れです。とはいえ、毎回まともに言い合っていると、あなたの体力が持ちません。口答えには長く付き合わず、「そうか、でもお風呂の時間だよ」と、内容に乗らずに要件だけ返すのが、消耗しないコツです。

この年齢で効くのは、繰り返し命令することではなく、仕組みを変えることです。声をかける回数を増やしても、子どもは慣れてしまい、だんだん効かなくなります。あなたが催促する役から降りて、時間や本人の決定に仕事をさせる形にすると、衝突が減って、あなたの負担も軽くなります。

今日から試せる関わり方

命令を、質問に変える

「お風呂に入りなさい」ではなく「お風呂、何時に入る?」と本人に決めさせてみてください。この年齢は、指示されると反射的に反発しますが、自分で決めたことは守ろうとします。本人が「8時」と言ったら、その時間に一度だけ「8時だよ」と声をかける。あなたの役割が、催促する人から時間を知らせる人に変わるだけで、衝突がぐっと減ります。園でも、「片付けて」と指示するより「あと何回やったら片付ける?」と本人に決めさせるほうが、驚くほどすんなり動きます。決定権を渡すことが、この年齢にはよく効きます。

タイマーや時計に仕事をさせる

人に急かされるとイラッとしますが、タイマーが鳴るのには反発しません。本人にタイマーをセットさせて、鳴ったら動く、という形にしてみてください。あなたが声を出す回数が減るので、お互いの機嫌が守られます。最初のうちは鳴っても動かないこともありますが、「タイマー鳴ったよ」と一言添えるだけで済むので、「何回言わせるの」と怒鳴るより、はるかに消耗しません。

順番を固定して、流れにしてしまう

「ご飯のあとはお風呂、お風呂を出たら歯磨き」と流れを決めて、毎日同じ順番にする。その都度指示されると子どもは指示待ちになりますが、流れが体に入ると、言われなくても動くようになります。園の生活が子どもにとって過ごしやすいのは、毎日同じ順番で進むからです。家でも同じで、日によって順番が変わると、そのたびに切り替えのエネルギーが必要になります。決まった流れは、子ども自身にとっても楽なんです。

できた日に、一言だけ声をかける

当たり前のことでも、「今日は自分で入ったね」と一言かけてみてください。子どもは、注目された行動を繰り返しやすくなります。できていない時だけ反応していると、注意されることが親とのやりとりの中心になってしまい、結果として「言われるまでやらない」が定着します。地味ですが、この積み重ねが一番確実に効きます。

同じことを何度も繰り返し言い続けるのは、効果が薄いだけでなく、あなた自身を消耗させます。子どもは、繰り返される小言に慣れてしまい、だんだん聞き流すようになるからです。また、口答えに毎回正面から言い返すのも避けたいところです。言い合いになると、本来の用件から離れて、勝ち負けの争いになってしまいます。そして、歯磨きやお風呂が一日抜けたところで、大事にはなりません。完璧にやらせようとするほど苦しくなるので、多少できない日があっても大丈夫、くらいの構えでいるほうが、結果的にうまく回ります。

  • 小3が言われてすぐ動かないのは普通のこと。分かっていても切り替える力が育つ途中
  • 口答えは反抗というより、考える力と語彙が伸びた成長のサイン
  • 命令を「何時にする?」という質問に変えて、本人に決めさせると守りやすくなる
  • タイマーや決まった流れに仕事をさせて、親が催促する役から降りる
  • できた日に一言かける。繰り返しの小言は慣れられて効かなくなる
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このブログを書いている人
保育士資格保有|保育士歴10年以上|3児の母

大学で心理学を履修後、教育学部を経て保育士として働いています。心理学×教育の考えを元に育児の悩みに向き合っています。園で出会ったたくさんの親子と、我が家の毎日から学んだ「今日から試せること」をお届けします。

※本記事は一般的な子育て情報であり、専門的な相談に代わるものではありません。ご心配が続く場合は、自治体の子育て相談窓口にご相談ください。

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