自分の子どもなのに、他人のように感じてしまいます。今2歳の子がいます。お世話をすること自体は特に苦ではなく、美味しいものを作ってあげたいなと思うこともよくあります。それなのに、どこかこの子を他人のように感じてしまう瞬間があるのです。この気持ちは、いったい何なのでしょうか。
まず、こうして正直に言葉にできたこと、それ自体がとても大切なことだと思います。「自分の子どもなのに他人のように感じる」という気持ちは、口に出しにくくて、一人で抱えてしまいがちです。でも、この感覚を持つ人は、あなたが思っているよりずっと多くいます。そして、あなたがそれを心配しながらも、美味しいものを作ってあげたいと思える。その時点で、あなたはちゃんと子どもに向き合えています。この気持ちの正体を、一緒に整理していきましょう。
その感覚は、愛情がないということではありません
いちばんお伝えしたいのは、「他人のように感じる」ことと「愛していない」ことは、まったく別だということです。あなたは、お世話を苦に思わず、美味しいものを作ってあげたいと感じている。これは、行動としての愛情がしっかりある証拠です。ただ、心のどこかで距離のようなものを感じる。この二つは、矛盾なく同時に存在します。
そもそも、親子の情というのは、産んだ瞬間に自動的に湧いて、ずっと同じ濃さで続くものだと思われがちです。でも実際は違います。愛着は、毎日の関わりの中で、少しずつ育っていくものです。だから、ふとした瞬間に「この子は誰なんだろう」「不思議な感じがする」と、他人のように感じる瞬間があっても、それはおかしなことではありません。むしろ、正直に自分の心を見つめられている証拠でもあります。
愛情は「感じるもの」であると同時に「育てていくもの」です。今、他人のように感じる瞬間があっても、毎日お世話を重ねていく中で、その距離は少しずつ縮まっていきます。あなたはすでに、その積み重ねをちゃんとできています。感情が追いついてくるのを、焦らず待って大丈夫です。
なぜ、そう感じるのでしょう
2歳は、急に「別の人格」になる時期
実は、2歳という時期が関係していることがあります。赤ちゃんの頃は、自分の一部のように感じられていた子が、2歳頃になると、自分の意思をはっきり持ち、「イヤ」と反抗し、思い通りにならない一人の人間になっていきます。この急激な変化に、心が少し戸惑って、「知らない人みたい」と感じることがあるのです。これは、子どもが順調に自立へ向かっている証拠でもあります。園でも、イヤイヤ期の子を前に、お母さんが「うちの子、こんな子だったかな」と戸惑う姿は、よく見かけます。
心が少し疲れているサインのことも
もう一つ、考えられることがあります。人は、心や体が疲れているとき、感情が平らになって、身近なものにも距離を感じることがあります。これは、自分を守るための自然な反応で、一時的なものです。もし最近、睡眠が足りていなかったり、気持ちに余裕がなかったりするなら、その疲れが「他人のように感じる」という形で出ているのかもしれません。その場合は、あなた自身が少し休むことで、感覚が戻ってくることがあります。
これから、どうしていけばいい
感情を無理に作ろうとしない
「他人のように感じてはいけない」「もっと愛情を感じなきゃ」と、無理に感情を作ろうとすると、かえって「感じられない自分」を責めることになり、苦しくなります。感情は、意志の力でひねり出すものではありません。今は、感じ方はそのままにして、お世話という行動を続けていれば十分です。美味しいものを作ってあげたい、その気持ちのまま手を動かしていく。感情は、後からゆっくりついてきます。
スキンシップを、少しだけ意識してみる
距離を縮めたいと感じるなら、抱っこや手をつなぐといった肌の触れ合いを、少し意識してみてください。触れ合うことで、心が落ち着くホルモンが出ることが分かっていて、これが親子の絆を育てる後押しになります。難しく考えず、寝る前に少し長めに抱きしめる、それくらいで十分です。園でも、関わりの中でスキンシップを大切にすると、子どもも大人も表情がやわらいでいきます。
「他人のように感じるなんて、母親失格だ」と、自分を責めるのだけは避けてほしいところです。その感覚は、愛情の欠如ではなく、心の自然な動きのひとつです。責めれば責めるほど、気持ちは追い詰められていきます。ただ、もしこの感覚とあわせて、気分の落ち込みが続いたり、何をしても楽しめなかったり、自分や周りが現実でないような感じが強く続いたりする場合は、心が疲れているサインかもしれません。そのときは我慢せず、かかりつけ医や自治体の保健センターに、正直な気持ちを話してみてください。それは弱さではなく、自分を大切にする行動です。
- 「他人のように感じる」ことと「愛していない」ことは、まったく別のもの
- お世話を苦に思わず、作ってあげたいと思える時点で、行動としての愛情はある
- 愛着は産んだ瞬間に完成するものではなく、毎日の関わりで育っていくもの
- 2歳は子どもが「別の人格」になる時期。戸惑うのは自立が進んでいる証拠
- 感情を無理に作らず、お世話とスキンシップを続ければ、気持ちは後からついてくる
※本記事は一般的な子育て情報であり、専門的な相談に代わるものではありません。気持ちの落ち込みや、現実感のなさが続く場合は、お一人で抱えず、かかりつけ医や自治体の保健センター・子育て相談窓口にご相談ください。

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